雑念日記

愛する本たちとともに送る、雑念だらけの日々。
文学・小説を中心にした簡単なレビュー。(最近面倒なので更新は程ほどに)

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『岬』 中上健次


中上 健次

しばらくガルシア・マルケスの『コレラの時代の愛』を読み終わるまで時間がかかりそうなので、関係のありそうな作家のことを書いてみようと思いました。

ガルシア・マルケスを辿るとその作品のテーマのようなものはウィリアム・フォークナーへと行き着くと考えて不自然ではないと思います。ウィリアム・フォークナーはヨクナパトーファという架空の土地を設定し、そこを舞台とした小説を多く書いています。

どうもこの土地を設定し、そこに住む人々を一つの共同体意識を背景に描き出す、ということが、個人的な印象にはなりますが、フォークナーとガルシア・マルケスの両者に共通するところのようです。ガルシア・マルケスではこれがマコンドと呼ばれる土地になるのでしょうか。名前は出てこないにしても、土地におけるある種のコンセンサスにのっとって書かれているという点で、『予告された殺人の記録」は典型的な例と言っても良いように思います。

さて、中上健次ですが、彼はフォークナーに倣い、紀州を舞台にした小説を多く残しています。特にこの『岬』という短編集はほぼ紀州。そこにある一つの町を舞台にして、ごりごりと作品を生み出しています。中でも、表題作『岬』はとても面白い(中上健次はこれで芥川賞を受賞してます)。

おそらく岬はその地形からして男性器のメタファーになっているのではないかと勝手に妄想すると非常に面白かったです(単語的には若干違うかもしれないが、peninsulaという単語を考えると結構それっぽい)。海は羊水をイメージさせるところからも、女性性のイメージとしてとらえられ、そこに突き出すのが突起状の岬。そしてそこに出かけていく家族。考えるだけでインセスト。と思うとやはりこれが物語後半の部分の暗示になっているのだな、と僕は勝手に想像しながら読むのが楽しかったです。
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